> >>はるのゆめ

監獄組が　だいすき　です

妄想したって良いじゃない！二次創作は大いなる妄想からだよ！
追記に、そんな妄想をぎゅっと詰めたファラデーさんとフロシキー様のＳＳです。
これ思いついた時は桜真っ盛りの春でし…た。

ふわ、り、と窓から花びらが一枚舞い込んできた。

 

－が、瞼を開くとその姿はなく、ああ、夢かと思った。（そもそも目を閉じていたのに花びらが舞い込む様子など、どうして見れようか）

 

「ああ－それにしても…眠い、な」

 

ここに閉じこめられてから、めっきり独り言が増えてしまった。

 

「…いや、私は実験中もよく…きほんてきにひとりだった…し…」

 

ふわり、また、眠気が滑り込んできて、心地よく目を閉じ－ようと、したのだが。

 

「何を寝ているか！」

 

そんな声で目を開く。（あれ、自分はまた目を閉じていたのか。いつの間に？）

目の前には、小さい子が夢で見るような可愛い兎。喋る、兎。

 

「お前を衰弱させるためにここに入れているというのに、それでは意味が－おい－聞いているのか－おい！？」

 

眠気で重い手を伸ばして、そっと引き寄せる。

 

「何－お前－ふざけ－」

 

そんな声も、ゆっくり遠ざかっていく。

（ああこれは日だまりの匂い、あの花の）

（　は）

（こ　こ）

―…

 

 

 

≪はるのゆめ、かがくしゃとしゃべるうさぎのごとし≫